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レーザー光の特徴【コヒーレンスとは?】

レーザー光はLEDなどに比べて、「規則正しく波打つ電磁波、広がらずに進む、一点に絞れる」という特徴を備えている。

今回はその特徴をちょっとした専門知識を交えながら解説していく。

目次

レーザー光の特徴

先程も話したがレーザー光の特徴は、「規則正しく波打つ電磁波、広がらずに進む、一点に絞れる」である。これを専門的な用語を使うと

  • 規則正しく波打つ電磁波 → 単色性
  • 広がらずに進む → 指向性
  • 一点に絞れる → 集束性

これらのどの特徴もコヒーレンスが高いという言葉で表現できてしまう。コヒーレンスについては最後に説明する。

ちなみに勘違いしないでほしいことは、それぞれの特徴が高いレベルで実現できるのであって、完全に単色性であるものはないし、無限に広がらないこともない、無限に小さく絞れるわけでもない。

ではそれぞれの特徴を見ていく。

単色性(規則正しく波打つ電磁波)

図が汚くてすみません

単色性というのは光を波長分解してあげると、一点のみにピークが来ている状態である。つまり、きれいなサイン振動となっている。LEDなどの白色光は多くの色(波長)の光が混ざりながら出てくるので、光の波形はぐちゃぐちゃである。

しかし、レーザー光源でも完全なサイン振動をするような理想的な光源は存在しない。おそらく最も単色性の強い光を扱っているのは、重力波干渉計(KAGRAなど)ではないだろうか。

指向性(広がらずに進む)

レーザー光は広がらずに進むことは多くの人が知っていると思う。レーザーポインターはそのわかりやすい例である。光の波面がグラグラしていると広がってしまうのである。この広がりの効果は回折と呼ばれるものである。

ちなみに僕は長らくレーザーポインターから出た光は広がることなく進むと勘違いしていて、どんなに遠くでも同じ大きさの点で照らせると思っていた。どんな光でも回折による広がりを抑えることはできない。

集束性(一点に絞れる)

これも指向性と本質的には同じである。波面がグラグラな光は絞るのが難しい。光は無限に小さく絞ることはできない(回折限界)が、それでもより小さく絞る方法として光を一度広げてあげる方法がよく取られる。小さく絞りたい場合、一度広げた光を焦点距離の短いレンズで絞ることがよく使われる。対物レンズなどがそうである。

コヒーレンスとは

よくレーザー光はコヒーレンスが高いと言われる。僕も学部時代コヒーレンスの意味を理解できなかったのでできるだけわかりやすくまとめる。

コヒーレンスとは

コヒーレンスは日本語で「可干渉性」と言う。干渉を辞書で引くと「二つ以上の同一種の波動が同一点で合ったとき、重なって互いに強めあい、または弱めあう現象」と出てくる。干渉を起こすには2つの波動が必要らしい。

このとき考えられる2つの波動として、空間的に分離された波動と時間的に分離された波動が考えられる。

空間的に分離された波動:空間的コヒーレンス

レーザー光の出射口は有限の幅を持っているので、当然ながら光は幅を持って出てくる。ここで光を粒子として考えると別々の場所から出てくることになる。別々の場所から出てきた光の位相が揃っていれば、全体として見たとききれいな波になることが想像できるだろう。これが空間的コヒーレンスである。

空間的コヒーレンス:指向性、集束性

時間的に分離された波動:時間的コヒーレンス

時間的に分離された波動についても、光を粒子として考えるとわかりやすい。別々の時間に出てきた粒子がよく干渉するということは、別々の時間で出てきた粒子の位相は揃っているということである。

時間的コヒーレンスが保たれる距離のことをコヒーレント長と言う。KAGRAなんかに使われる光源のコヒーレンス長は数kmにも及ぶらしい。

時間的コヒーレンス:単色性

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この記事を書いた人

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